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当事務所では、弁護士 田中宏幸が
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2016.02.29更新

(前回の続き)

Q:預貯金が当然に分割されているという理屈は分かるのですが、そのことがどういう場面で影響するのでしょうか。

A:特に家庭裁判所に遺産分割の調停申立を行ったときに、調停段階では預貯金を遺産分割の対象とすることに同意していても、調停が不成立となり、審判に移行したときに、一部の相続人が預貯金を遺産分割の対象とすることに同意しない場合です。この場合は、遺産の中から預貯金を除外した残りの遺産を対象として、遺産分割の審判がされることになります。

 このため、特別受益を多額に受けている相続人が結果的に多くの財産を取得することになったり、逆に多額の寄与分のある相続人が十分な寄与分の効果を得られなくなるなど、実質的公平な処理が実現されないこともあります。このことは、立法上の不備というしかなく、立法で解決するしかないと思われます。

弁護士 田中宏幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2016.02.22更新

Q:相続財産の中に預貯金がある場合、この預貯金は遺産分割の対象から除外されると聞いたことがあるのですが、どういうことですか。

A:判例上、「預金等の金銭債権」は可分債権であり、遺産分割協議をするまでもなく、相続開始(被相続人の死亡)と同時に当然に各相続人の法定相続分に応じて、各相続人に帰属するとされています(可分債権当然分割論)。

 このため、例えば、亡父の死亡時に預金が3000万円あって、相続人が子3人とすれば、3000万円÷3=1000万円の預金が、亡父の死亡と同時に各相続人に帰属しているので、遺産分割の対象にする必要がないということになります。

 もっとも、相続人全員が預貯金を遺産分割の対象にすることに同意していれば、話は別で、遺産分割の対象に入れて協議ができます。通常は預貯金を含めて遺産分割の協議をしています。

弁護士 田中宏幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2016.02.15更新

Q:(前回の続きで、)結局、マンションの時価1500万円より住宅ローン2000万円の残債務の方が多いことが判明しましたが、子3人の話し合いの結果、亡父の子3人のうち、長兄が父の自宅マンションを相続し、住宅ローンも長兄が引き受けることに話がまとまりました。この場合、私は住宅ローン債務を負担しなくて済むのでしょうか。

A:上記のように、相続人3人での話し合いで決めたとしても、住宅ローン債務については、住宅ローンの債権者の同意がない限り、長兄だけが住宅ローン債務を負うということを、債権者に対して主張できません。つまり、住宅ローンの債権者は長兄以外の相続人に対して、住宅ローン債務の3分の1を請求できるのです。

 従って、長兄が父の自宅マンションを相続するのであれば、他の相続人2人は相続放棄の手続をしておくのが無難です。あるいは、住宅ローンの債権者と相続人3人の間で、住宅ローン債務を長兄だけが引き受けるという内容の契約(免責的債務引受契約)を締結しておく方法もあります。契約内容などの詳細は弁護士に相談した方がよいです。

弁護士 田中宏幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2016.02.08更新

Q:前回の設問で、自宅マンションの時価と住宅ローンの債務の額とを比べるためには月日がかかり、3か月が過ぎてしまうときは、どうしたらよいのですか。

A:このような場合は、3か月前に家庭裁判所に対し、相続承認・放棄の期間伸長の申立を行います。これは、3か月の期間を延長してもらうためです。申立書には期間延長を求める理由を簡潔に記載します。通常はさらに3か月の期間を延長した審判を出してくれます。

 このようにして、相続放棄するか否かを検討する期間を確保しておく必要があります。

弁護士 田中宏幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2016.02.01更新

Q:先日、一人暮らしの父が亡くなりました。父所有名義の自宅マンションがありますが、住宅ローンも残っているようです。父には他に目ぼしい預貯金はありません。住宅ローンは私たち子供3人が負担することになるのでしょうか。私たち子供には住宅ローンの債務を払う余裕はありません。

A:住宅ローンの借入金は、相続人が法定相続分に従って、当然に分割されて相続することになります。相続人が子供3人でしたら、3人が各々3分の1の割合で、住宅ローン債務を相続することになります。

 ただ、お父さんの自宅マンションも相続しますので、自宅マンションの時価と住宅ローンの債務の額とを比べて、後者の方が多いときは、相続放棄の手続をして、住宅ローンを免れることができます。この相続放棄の手続は相続開始(父の死亡)を知ったときから3か月以内ですので、注意してください。

 

弁護士 田中宏幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所