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当事務所では、弁護士 田中宏幸が
直接、法律相談・事件処理の対応を行います

大阪府大阪市浪速区難波中3-5-4 難波末沢ビル3階
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2018.07.19更新

Q:借家人側の借家建物利用の必要性としては、どのような事情が「正当事
   由」の有無に影響するのでしょうか。

A:まず、借家人が一人暮らしの高齢者で、長年借家に居住していて、親族
   は他におらず、近隣の人から何かと世話をしてもらって生活していて、近
   隣に同様の借家がないような場合には、借家人の「居住の必要性」がかな
   り強いケースといっていいでしょう。
  但し、借家人が近隣にマンションを所有している場合は、「居住の必要
    性」の強さは低くなるでしょう。また、借家人は、賃貸ビルの1階で飲
    食店を営んでおり、近隣の居住者が主な顧客であり、近隣に飲食店を営
    める場所がなく、飲食店での収入を唯一の生活の糧にしていて、飲食店
    一筋で長年行っており、転職の可能性がないような場合も「営業の必要
    性」がかなり強いケースといっていいでしょう。
      これらのケースは、「借家人の借家を使用する必要性」が強く、解約の
   「正当事由」は認められにくいといっていいでしょう。

       弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.07.09更新

Q:<建物の建替えの必要性>
  借家の敷地を有効利用するために、建物の建替えの必要性があること
   を理由として、借家契約の解約の「正当事由」が認められるケースがあ
   るでしょうか。


A:いわゆるバブル経済の頃には、このような事案が多くありました。
  特に、大都市の中心部における土地の再開発の要望が社会的に強まって
   きていることを理由に、かなりの立退料の支払を条件に解約の「正当事由」
   が認められたケースがありました。
  例えば、池袋駅の近くの地元商店街と豊島区が協力して街づくりが行わ
   れている中で、借家建物が老朽化していること、賃貸人に自社ビルを建築
   する必要性があるとして、1億6000万円の立退料の支払を条件に「正
   当事由」を認めた裁判例があります。
  また、借家建物の老朽化、新橋駅前という土地の高度利用が望ましい立
   地に借家が立地していること、他の借家人の明渡し交渉が完了しているこ
   と等理由として、3億4000万円の立退料の支払を条件に、解約の「正
   当事由」を認めた裁判例もあります。
  いずれも、賃貸人に再開発の利益があることも考慮して、立退料が高額
   化したものと思われます。
 
  弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.06.28更新

Q:前回の「賃貸人が事業のために使用する必要がある場合」について、「
 正当事由」が認められなかった裁判例として、どういう場合がありますか。

A:例えば、賃貸人の店舗拡張の必要性及び家族の居住の必要性がある場合
 でも、賃借人の営業の必要性及び建物の立地場所等が賃借人の営業上死命
 を制する重要な影響があるとして、「正当事由」が否定された裁判例があ
 ります。
  また、スーパーを7店舗経営する賃貸人が、そのうちの1店舗でパンの
 販売をする賃借人に対し、賃借人自らが店舗内でパンの製造販売する必要
 性があるという事案では、賃借人は本件建物なしでは経営が立ち行かない
 ことなどを理由にして、「正当事由」が否定された裁判例があります。
 

   弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.06.19更新

Q:「建物利用の必要性」のうち、「賃貸人が事業のために使用する必要が
   ある場合」について、教えて下さい。


A:この場合は、前回の「賃貸人の住居として使用する必要性の場合」ほど
   ではありませんが、借家契約の解約の「正当事由」として評価されます。
  例えば、賃貸人が六畳一間に家族4人が暮らし、賃貸人自身は左目失明
   のため仕事ができず、頼りとしている長男に牛乳店を開業させる必要があ
   るのに対し、賃借人は専ら倉庫としてのみ使用している場合のケースでは、
  「正当事由」が認められました。
  一般的に、賃貸人の側に、生計を維持するために建物を使用する必要性
   があるという場合には、借家契約の解約の「正当事由」が認められやすい
   と思われます。
  
     弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.06.08更新

Q:「正当事由」の主要な要素として「建物利用の必要性」が挙げられて
    いますが、その類型の1つである「賃貸人が自己あるいは家族の居住と
   して使用する必要がある場合」について、教えて下さい。

A:1 賃貸人が建物を自己の住居として使用する必要性がある場合は、
    「正当事由」が比較的認められやすい傾向にあるといえるでしょう。
      例えば、賃貸人が大阪で公務員官舎に居住していて、定年退職し、
     再就職先が東京の会社である場合、東京にある賃貸建物に住居として
     使用する必要性が認められます。この場合、一定の立退料の支払を条
     件に「正当事由」が認められることになるでしょう。
   2 賃貸人の家族が住居として使用する必要性がある場合は、賃貸人自
     身が住居として使用する場合よりも「正当事由」としては若干低く評
     価されるかと思われます。
   例えば、大阪にある賃貸建物の隣に高齢の賃貸人が居住していて、
     賃貸人の長女が夫の転職により大阪で勤務する機会に、長女が高齢の
     賃貸人の介護を行うため、賃貸建物に住居として使用する必要性は認
     められるでしょう。ただし、建物使用の必要性は賃貸人自身の建物使
     用の必要性より、低い評価になるかと思われます。
  3 以上のように、自己使用の場合と家族使用の場合では、必要性の程
   度に若干の強弱があるように思わます。    

       弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.05.30更新

Q:「正当事由」の主要な要素として、「建物利用の必要性」が挙げられ
     ていますが、具体的にはどのような点が判断されるのですか。

A:1 まず、賃貸人の自己使用の必要性を類型化してみますと次の三つに
        類型化できるでしょう。
    ① 賃貸人が自己あるいは家族の住居として使用する必要がある場合
    ② 賃貸人が何らかの事業のために使用する必要がある場合
    ③ 賃貸人が建物を建て替える必要がある場合(土地の有効利用の必
    要性)
  2  次に、賃借人の使用の必要性としては、① 賃借人の居住の必要性
   に限りません。② 賃借人がその建物に営業上の資本を投下している
   場合(店舗として改装している場合等)やその建物で営業を継続す
   る必要がある場合(生活の糧として営業している場合等)が挙げら
   れます。
  3  そして、① これらの賃貸人・賃借人双方の建物利用の必要性に著
   しい差が認められる場合、すなわち、賃貸人の建物利用の必要性が
   賃借人のそれをかなり上回っている場合には、それだけで「正当事
   由」が認められることがあります。
     ② もし、賃貸人・賃借人双方の建物の利用の必要性に著しい差が認 
   められない場合は、立退料の提供、代替家屋の提供等の補完的要素が
   考慮されることになります。
     ③ 上記①とは逆に、賃借人の建物利用の必要性が相当高い場合には、
   立退料の提供等の補完的要素があっても、「正当事由」は認められな
   いことがあります。
 

   弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.05.17更新

Q:15年前から貸家を賃貸しているのですが、建物が老朽化してきまし
   たので建替えの必要性が出てきました。そのためには、賃貸借契約を
   終了して、借家人に貸家から出ていただく必要があります。
  このとき「正当事由」がないと出てもらえないことがあると聞きま
    した。
     「正当事由」とはどういうことをいうのでしょうか。
 
A:これは借地借家法28条という法律の問題になります。同法28条は、
 建物の賃貸人が解約の申入れをするためには、「正当事由」が必要で
 あるとされる規程です。
  これは賃貸人の意向だけで借家を追い出されることになると、借家
 人の生活の安定が害されることになるため、借家人保護を図って一定
 のしばりを加えたものです。
  この「正当事由」としては、様々な判断要素があります。
 ① 賃貸人・賃借人双方の建物利用の必要性(これが主要な要素にな
  ります。)
  その他、補完的な考慮要素としては、
 ② 建物の賃貸借の従前の経過
 ③ 建物の利用状況
 ④ 建物自体の現況
 ⑤ 立退料等の提供
  これらの要素を総合的に判断して、「正当事由」の有無が判断されま
 す。
  実際は、賃貸人と賃借人の双方のみで、「正当事由」の有無を判断す
 ることは難しいといってよいでしょう。

  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.04.23更新

Q 遺言書を作成しようと思うのですが、その際注意すべき点があり
 ましたら教えて下さい。

A 1 遺言書の内容について
 ア 遺産はできるだけ特定して、各遺産ごとに誰に帰属させる(ex.
  相続させる)かを明確にしておくことです。これが不明確ですと、
  あなたの意思が反映されず、遺言内容の解釈をめぐって争いの恐
  れが生じるからです。
 イ 遺産の一部だけの遺言はお勧めできません。遺言書の対象外の
  遺産があると、それをめぐって相続人間で争いになる恐れがある
  からです。
 ウ 遺言書で全ての遺産をカバーするためには、「その他一切の財産」
  の帰属先を決めておくことです。気付いていない預貯金などをここ
  に含めることができるからです。
 エ 相続人の間では、できるだけ法定相続分に近い内容を原則とする
  ことです。もし、相続人の間で取得財産に大差を設ける場合は、「
  附言事項」において、その理由を記載しておくことです。この場合
  でも、遺留分(法定相続分の2分の1等)を下回わることになる相
  続人が出ないように配慮することです。遺留分を下回わる財産しか
  取得できない相続人が出ると、遺留分減殺請求権の行使ということ
  で相続人間で争いになるリスクがあるからです。ただし、遺留分が
  どれくらいになるかを判断することは、少々難しい面がありますの
  ので、弁護士に相談することをお勧めします。

A 2 遺言書の内容以外の点について
   ア 例えば、同居している子供に対しては、別居していて、盆・正月
    にしか実家に来ない子供の不満を述べる一方で、別居している子供
    に対しては、盆・正月に実家に来たときに、同居している子供の不
    満を述べるということは、ときどき耳にすることですが、このよう
    なことは決して行わないようにして下さい。相続の際に子供同士の
    争いの元になる恐れがあるからです。
   イ 例えば、株や投資信託などで大きな利益を得たことだけを子供た
    ちに話をし、大きな損失を出したことは話さないなど、子供たちに
    財産が多くあるかのような話はしないことです。あなたが亡くなっ
    た後、遺産が少ないとき、あなたと同居している子供があなたの財
    産を取り込んでいるのではないかと疑われやすくなり、争いの火種
    になる恐れがあるからです。
  ウ 遺言書作成の際、子供の一人を関与させることはできるだけしな
   い方がよいです。遺言書作成に関与していない他の子供が不公平感
   を抱く原因になり得るからです。

 以上のように、遺言書作成時の注意点を述べましたが、折角遺言書を
作るのですから、子供たちが争いにならないよう配慮してあげて下さい。

 弁護士 田 中 宏 幸
  

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.04.09更新

Q:農家の跡取りとして、大学卒業後、公立小学校の教員となり、給与収
 入の大半は母親に手渡してきました。26歳のときに別の農家の二男を養
 子として迎え入れ、その夫の収入で食費以外の夫婦親子5人の支出をま
 かなってきました。私の収入の大半は従前通り両親が死亡するまで母親
 に手渡してきました。
  父が亡くなり、(父の預貯金はなし)、その後、母が亡くなったので
 すが、驚いたことに亡母名義で5000万円もの預貯金が残っていました。
  父母の農業収入は基本的には赤字状態に近く、父母の年金収入も二人
 合わせて月額10数万円程度でした。
  亡母の相続人は、私たち夫婦と妹の3人で、妹は5000万円を三等分す
 ることを要求しています。
  亡母名義の預貯金5000万円は、私が長年父母に手渡ししていた給与収
 入が蓄積されたものであるのは間違いないのですが、これをどのように
 証明すればよいでしょうか。

A:長年給与収入を母に手渡ししていたことから、これを証明できるのは
 あなたの夫くらいでしょうが、夫の供述で直ちに信用してもらうことに
 は困難を伴ないます。また、毎月いくら金額を手渡ししていたかも立証
 が必要ですが、これも困難を伴ないます。
  そこで、① 母親の通帳等から母親の年金収入と支出を過去に遡って洗
 い出すこと
 ② 農業収入及び年金収入が使われているのか否かをチェックすること
 ③ 母の預金がどのように増えていっているかを各年毎にチェックすること
 ④ あなたの給与収入がどれ位あったのかを、過去に遡って給与明細ある
  いは源泉徴収票、課税証明書などで明らかにしていくこと、(また、
  毎月の給与収入から払戻しをしている金額もチェックすること)
 ⑤ これらのデータを時系列にして一覧表にしてみること
  このような地道な作業によって、亡母名義の預貯金が増えていく実態
 を明らかにしていくことになります。
  すなわち、亡母の収入では預貯金が5000万円も蓄積できないこと、亡
 母はあなたの給与収入を得ているからこそ、亡母の預貯金が増えているこ
 とをできるだけ過去に遡ってデータを積み上げていくことに尽きます。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.03.23更新

Q:先日、父が亡くなったので、兄弟姉妹で相続の手続を
 する必要があるのですが、いろいろ調べても今一つ分か
 りません。そこで、弁護士に相続の相談をしたく思って
 います。相談のために事前に準備しておくこととしてど
 ういうことがありますか。

A:どのような点について法律相談を受けたいかにもより
 ますが、基本的には、① 亡くなった方を中心とした、親
 族関係図(既に死亡されている人についてはその死亡年
 月日)、② 遺産の内容(不動産、預貯金、有価証券、生
 命保険等ある程度の時価額もあった方がよいです。)、
 ③ 時系列メモ(贈与の時期・金額、寄与の内容、被相続
 人の病状等)、④ もし遺言書があるときはその写し(但
 し、封印された自筆証書遺言は検認手続の前は開封しない
 こと)等は必要になります。
 ①の親族関係図に関しては、もし、被相続人の除籍謄本、
 戸籍謄本、改製原戸籍等をお持ちでしたら、念のため、
 それらを持参されるとよいです。
 ②は遺産目録のようなものです。これらの財産の裏付け
 になる資料(不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書、
 預金通帳、等)をお持ちでしたら、その資料を持参され
 るとよいです。
  これらの資料が未だ入手されていなくても気にする必
 要はありません。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

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