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当事務所では、弁護士 田中宏幸が
直接、法律相談・事件処理の対応を行います

大阪府大阪市浪速区難波中3-5-4 難波末沢ビル3階
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2019.03.11更新

Q:自筆証書の遺言書の保管に関して新たに保管制度が創設され
    たとのことですが、それはどういう制度ですか。

A⑴ これまでは自筆証書の遺言書は、これを紛失したり、不利
      な内容の相続人により廃棄されたり、隠匿・改ざんされたり
      する恐れがあり、この問題のため、相続をめぐる紛争が生じ
      ていました。
   また、自筆証書が遺言書の場合は、遺言者の死後、検認の
      手続が必要でした。
   ⑵ これを受けて、公的機関である法務局で遺言書を保管する
      制度を創設することになりました。そのメリットは、① 全国
      一律にこのサービスを提供できること、② プライバシーを確
      保できること、③ 現在問題になっている相続登記の促進につ
  なげることが可能であることにあります。
   また、法務局で遺言書が保管されると、検認手続が不要に
  なりました。
 ⑶ 自筆証書の遺言書を法務局に対し、保管の申請をすると、
  法務局で遺言書の原本を保管すると共に遺言書の画像がデー
  タ化されます。
 ⑷ 遺言者が死亡した後、相続人の一人から、遺言書の写しの
  交付・閲覧がされると、他の相続人に遺言書が保管されてい
  ることが通知されます。
 ⑸ これにより、遺言書の紛失や隠匿等を防止できますし、相
  続人が遺言書の存在を容易に把握することができるようにな
  ります。
   その結果、遺言者の遺言に託した最終意思を実現すること
  ができ、かつ、相続手続きの円滑化に資することになります。

   弁護士 田 中 宏 幸 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.02.25更新

Q:自筆証書遺言の作成方法に関して、民法が改正されて、既に
    平成31年1月13日から施行されていると聞きましたが、ど
    のように改正されたのですか。

A:これまでは自筆証書遺言を作成する場合は、全文を自書する
    必要がありました。このため、不動産や預貯金が多くあると、
    それを全て手書きしなければならず、相当な負担になっていま
    した。
  民法改正後は、遺言者の財産は財産目録にすれば、自書しな
    くてもよくなりました。
      すなわち、財産目録は、パソコンで作成してもよいですし、
    銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として
    添付したりしてもよくなりました。このため、財産を特定する
    負担が軽減されることになりました。
      但し、財産目録には、偽造を防止するため、各頁ごとに遺言
    者の署名押印をする必要がありますので、注意して下さい。
     自筆証書遺言の中で財産目録を添付したときの財産を特定す
    る方法は、「別紙目録一及び二の不動産」というように自書
 (手書き)する必要があります。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.02.12更新

Q:父が死亡し、6000万円相当の遺産が残されていました。
  ただ、父の死亡保険金900万円の受取人が長年同居してい
 た長男になっており、長男が取得しました。
     父の子供3人が法定相続人です。死亡保険金900万円を特
   別受益として、遺産に持ち戻して遺産分割すべきではないでし
   ょうか。

A:死亡保険金が特別受益に当たるとすると、死亡保険金900
   万円を6000万円の遺産に持ち戻した6900万円を3等分
 した2300万円が一人当たりの相続分になります。すなわち、
 長男は1400万円(2300万円-900万円)、他の2人
 は各々2300万円を取得することになります。
  しかし、最高裁の判例(H16.10.29決定)は、生命保険金(請求
 権)は、原則として、特別受益に当たらないとしました。
  但し、① 保険金の額、② その遺産総額に対する比率、③ 保
 険金受取人である相続人(長男)と被相続人(父)の同居の有無、
 ④ 保険金受取人である相続人(長男)及び他の相続人(2人)
 と被相続人(父)との関係、⑤ 各相続人の生活実体等を考慮し、
 保険金受取人である相続人(長男)と他の相続人(2人)との
 間に生じる不公平が到底是認することができない程、著しいも
 のであると評価すべき「特段の事情」がある場合には、特別受
 益の民法の規定(903条)の類推適用により、遺産に持ち戻
 して遺産分割を行うべきことと判旨しました。
  上記の設問の場合、保険金の額が900万円であり、遺産総
 額6000万円の15%に過ぎないこと、長男が長年被相続人
 と同居していたこと等を考えますと、上記の「特段の事情」が
 あるとは言い難いと考えられます。
  裁判例で「特段の事情」が認められたケースは、保険金の額
 が総遺産の50%をはるかに超えるような極端な場合に限られ 
 るようです。
  従って、原則どおり、遺産総額6000万円の3分の1であ
 る2000万円を、3名の相続人が各々取得するものと考えら
 れます。結局、長男は2000万円に生命保険金900万円を
 加えた2900万円を取得することになります。
  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.01.28更新

Q:先日、父が亡くなったのですが、父と同居していた長兄が頑
   として父の遺産を明らかにしてくれず、遺産分割の話し合いも
   できません。
      亡父の遺産はどのようにして探したらよいのでしょうか。

A:このようなケースは時々耳にします。特に、長兄が父親の年
   金や財産で生活してきた場合に、このような問題が発生するこ
   とがあります。
      遺産が分からなければ、遺産分割の協議もできません。
      このような場合は、地道に1つずつ遺産を発見していくしか
     ありません。
    ①  例えば、預貯金を探す方法は、お父さんの自宅近くの銀行
      を当たることです。お父さんの法定相続人であることを戸籍
      謄本及び運転免許証等で証明すれば、お父さんと同じ立場で、
      お父さん名義の預貯金を探すことができます。その支店以外
      の支店に預貯金があるか否かも分かります。
    ②  また、例えば、株や投資信託を探す方法は、有価証券を扱
  っている証券会社、信託銀行等に問い合わせをすることです。
   上記と同様に、このときも、お父さんの法定相続人である
  ことを示す書類を持参することが必要です。
  ③  さらに、不動産を探す方法は、不動産がありそうな市町村
      にいわゆる「名寄帳」を取り寄せることにより、不動産を見
      つける方法があります。このときも、お父さんの法定相続人
      であることを示す書類が必要であることは、上記①②と同様
      です。
    ④  その他様々な財産については、法律家である弁護士に相談
      されることをお勧めします。

   弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.01.17更新

Q:遺言書を作成する際に、これは書いておいた方がよいという
   お勧めがあれば教えて下さい。

A:遺言書を作成する際に、財産の振り分けを記載することはも
   ちろんですが、その他に、何故、このように振り分けたのかを
  「付言事項」として、記載しておくことをお勧めします。特に、
   それぞれが受け取る財産価値に大きな差が出るようなときは、
   相続人等の不公平感を緩和するためにも、ご自身の考えを記載
   しておかれるとよいです。
    相続人の間では、それぞれが所帯を持つようになると、お互
   いが認識している情報に差があることがあります。
  そうすると、遺言者が体験していることと異なった認識を有
   する相続人が、遺言による財産の振り分けをみて不満を抱くこ
   とがあるからです。
      また、「付言事項」には、遺族へのメッセージ、遺族に期待
 することを書くとよいでしょう。遺言者が亡くなった後に遺族
 がこれをみて、遺言者の心情を察することができるからです。
 
  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.01.07更新

Q:私は、定年退職し、年金生活に入っていますが、自宅の土地・
    建物の他に、預貯金や有価証券など、数千万円程の財産があり
    ます。そろそろ遺言書を残しておこうかと考えていますが、ど
    ういう観点で作成していくとよいでしょうか。なお、私には妻
    と子供2人、孫3人がおります。

A:遺言書を作成する場合、まず、自分の財産をどのような人に
    受け取ってもらいたいのかを考えます。
      ① 長年人生を共にした妻の老後を安心して暮らせるように
   したいのか、② 不安定な生活を送っている子供たちの生活を
  援助したいのか、③ かわいい孫の教育資金に充ててもらいた
  いのか等々を考えて、財産の割り振りを考えます。
      民法が定めている法定相続分(例えば、妻は2分の1、子供
    2人なら2分の1の半分で各々4分の1)にこだわる必要はあ
    りません(但し、遺留分には配慮した方がよいです。この点は
    後にお話します。)。また、財産を受け取ってもらう人は法定
    相続人に限定されませんので、お世話になった恩人に受け取っ
    てもらうこともできます。
      社会に役立ててもらいたいということで、様々な公益活動を
    している団体に寄付することもあります。原則として団体が受
    け取る場合は現金ですが、中には不動産を受け入れる団体もあ
    ります。
      このように、何らかの目的をもって遺言書を作成しておくケ
    ースが大半のようです。相続人同士が不仲であるのを心配して、
    遺産分割でもめないように、遺言書を作成されるケースもあり
    ます。
      ご自身が死亡して必要なくなり残った財産を分けるのですか
    ら、ご自身が望むように分けてあげればよいことです。誰かに
    遠慮する必要はありません。

      弁護士 田 中 宏 幸

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.12.18更新

Q:同居していた父が、先日亡くなりました。相続人は長男の私
 と、遠くに住む二男及び長女がいます。
  父の遺産分割で兄弟がもめることなく処理したいのですが、
 どういう点に注意したらよいでしょうか。

A:まず、亡くなられたお父さん(被相続人といいます。)の最も
 身近にいた相続人の言動がポイントになってきます。
 ① 遺産分割の話し合いをする際は、事前に被相続人の財産(不
  動産、預貯金、株、投資信託などの有価証券、生命保険等)に
  関する資料を集めて、その資料を相続人全員が同じものを持つ
  ようにすることです。
   即ち、不動産であれば登記簿謄本及び固定資産税評価額(毎
  年の納税通知書に入っています。)、預貯金であれば、通帳(
  全ての頁)のコピー、有価証券であれば、証券会社から送られ
  てきている取引報告書等のコピー、生命保険は、保険証券等の
  コピーを他の相続人に交付することです。
   そして、遺産目録を作って、遺産全体を見やすくします。金
  額もできるだけ記入するようにします。土地の場合、路線価を
  税務署で調べておくとよいです。
   このようにして、被相続人の遺産についての情報を相続人全
  員で共有することです。
 ② そして、次に大切なことは、遺産分割の話し合いは、相続人
  だけで行うことをお勧めします。相続人の配偶者が入いると、
  もめる原因になることがあります。兄弟には幼い頃からの歴史
  があって配偶者が知らないこともあります。この歴史を踏まえ
  ると、自ずと兄弟間で話しがまとまってくることがあるからで
  す。
 ③ 遺産分割の分け方は、必ずしも法定相続分に従う必要はあり
  ません。実情に合わせて遺産分割することが基本です。法定相
  続分は遺産分割の話し合いが決裂したときに、裁判所が決める
  際の基準になるものですので、話し合いの際に、この法定相続
  分に縛られる必要はありません。
   被相続人の世話や介護をしてきたこと、被相続人から受けて
  きた恩恵等を総合考慮して、落ち着き所を見つけるようにしま
  す。
 ④ 遺産分割の話し合いの際の心掛けとして、特に年長の人は弟
  や妹と上下の関係ではなく、対等の関係にあるというスタンス
  で臨むことが重要です。兄貴風、姉貴風を吹かせることは厳禁
  です。
 ⑤ 最終的には、被相続人は何を望んでいたかをそれぞれの相続
  人が思い描いて遺産分割の話し合いに臨むことです。少なくと
  も、残された相続人間で争いが起こることは望んでいなかった
  と思います。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.22更新

Q:立退料が問題となった裁判はいろいろあるかと思うのですが、
   立退料の算定方法としてどういう傾向にあるのでしょうか。

A:裁判例では、不動産鑑定評価基準に規定されている借家権価
   格の算定方法が、必ずしもそのまま立退料の算定に使用されて
   いるわけではありません。借家権価格を立退料算定に入れるこ
   とを否定している裁判例もあります。
    一般的には、建物が老朽化していて建替えの必要性が高い場
   合や賃貸人の建物使用の必要性が高い場合には、立退料の金額
   は低く抑えられる傾向にあります。
      他方、賃借人による建物使用の必要性が高い場合や賃貸人に
   よる建物使用の差し迫った必要性が低い場合には、立退料の金
   額が高くなる傾向にあります。
    具体的には、賃借人に対し提示する立退料を検討するにあた
   っては、借家権価格を定型的に決めるのではなく、建物の老朽
   化の程度等を調査した上で、賃借人から建物を必要とする事情
   について詳細に情報を把握する必要があります。

 弁護士 田 中 宏 幸

 

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.11更新

Q:立退料が必要でない場合はどういう場合でしょうか。

A:⑴ 立退料は、借家契約の解約申入れのときの「正当事由」
        の有無を判断する際の補完要素という位置付けです。従っ
        て、「正当事由」が備わっている場合には、立退料の提供
   は不要になる場合があります。

  ⑵ 立退料の提供を考慮することなく、「正当事由」が認め
   られたケース
    都内の一等地にある老朽化した建物で映画撮影用の照
   明器具の貸付業務を経営している賃借人に対し、建物明渡
   しを求めた事案で、本件建物は既にその効用を全うしてお
   り、その命数既に尽きているとして、「正当事由」があると
   認め、立退料は不要であるとした裁判例があります。

    弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.01更新

Q:営業用の建物の場合の立退料を算定する際の「営業補償」と
   はどういうものなのでしょうか。
 
A:営業補償とは、賃貸借契約の解約に伴って、店舗を移転する
   ことが必要になりますが、店舗の移転により、営業の廃止、休
   止等が必要な場合には、営業廃止に対する補償や営業休止期間
   に伴う補償が必要になります。
    また、店舗の移転に伴い、場所によっては固定客を失う可能
    性のある場合が考えられます。その場合にはその損失を補償す
    ることが考えられます。
      これらの営業補償の金額については、必ずしも決まった計算
    方法があるわけではありませんので、個別の事案に応じて決め
    るしかありません。その際、借家人の過去何年分かの確定申告
    書は不可欠な資料となるでしょう。
 
  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

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