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当事務所では、弁護士 田中宏幸が
直接、法律相談・事件処理の対応を行います

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2019.01.17更新

Q:遺言書を作成する際に、これは書いておいた方がよいという
   お勧めがあれば教えて下さい。

A:遺言書を作成する際に、財産の振り分けを記載することはも
   ちろんですが、その他に、何故、このように振り分けたのかを
  「付言事項」として、記載しておくことをお勧めします。特に、
   それぞれが受け取る財産価値に大きな差が出るようなときは、
   相続人等の不公平感を緩和するためにも、ご自身の考えを記載
   しておかれるとよいです。
    相続人の間では、それぞれが所帯を持つようになると、お互
   いが認識している情報に差があることがあります。
  そうすると、遺言者が体験していることと異なった認識を有
   する相続人が、遺言による財産の振り分けをみて不満を抱くこ
   とがあるからです。
      また、「付言事項」には、遺族へのメッセージ、遺族に期待
 することを書くとよいでしょう。遺言者が亡くなった後に遺族
 がこれをみて、遺言者の心情を察することができるからです。
 
  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2019.01.07更新

Q:私は、定年退職し、年金生活に入っていますが、自宅の土地・
    建物の他に、預貯金や有価証券など、数千万円程の財産があり
    ます。そろそろ遺言書を残しておこうかと考えていますが、ど
    ういう観点で作成していくとよいでしょうか。なお、私には妻
    と子供2人、孫3人がおります。

A:遺言書を作成する場合、まず、自分の財産をどのような人に
    受け取ってもらいたいのかを考えます。
      ① 長年人生を共にした妻の老後を安心して暮らせるように
   したいのか、② 不安定な生活を送っている子供たちの生活を
  援助したいのか、③ かわいい孫の教育資金に充ててもらいた
  いのか等々を考えて、財産の割り振りを考えます。
      民法が定めている法定相続分(例えば、妻は2分の1、子供
    2人なら2分の1の半分で各々4分の1)にこだわる必要はあ
    りません(但し、遺留分には配慮した方がよいです。この点は
    後にお話します。)。また、財産を受け取ってもらう人は法定
    相続人に限定されませんので、お世話になった恩人に受け取っ
    てもらうこともできます。
      社会に役立ててもらいたいということで、様々な公益活動を
    している団体に寄付することもあります。原則として団体が受
    け取る場合は現金ですが、中には不動産を受け入れる団体もあ
    ります。
      このように、何らかの目的をもって遺言書を作成しておくケ
    ースが大半のようです。相続人同士が不仲であるのを心配して、
    遺産分割でもめないように、遺言書を作成されるケースもあり
    ます。
      ご自身が死亡して必要なくなり残った財産を分けるのですか
    ら、ご自身が望むように分けてあげればよいことです。誰かに
    遠慮する必要はありません。

      弁護士 田 中 宏 幸

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.12.18更新

Q:同居していた父が、先日亡くなりました。相続人は長男の私
 と、遠くに住む二男及び長女がいます。
  父の遺産分割で兄弟がもめることなく処理したいのですが、
 どういう点に注意したらよいでしょうか。

A:まず、亡くなられたお父さん(被相続人といいます。)の最も
 身近にいた相続人の言動がポイントになってきます。
 ① 遺産分割の話し合いをする際は、事前に被相続人の財産(不
  動産、預貯金、株、投資信託などの有価証券、生命保険等)に
  関する資料を集めて、その資料を相続人全員が同じものを持つ
  ようにすることです。
   即ち、不動産であれば登記簿謄本及び固定資産税評価額(毎
  年の納税通知書に入っています。)、預貯金であれば、通帳(
  全ての頁)のコピー、有価証券であれば、証券会社から送られ
  てきている取引報告書等のコピー、生命保険は、保険証券等の
  コピーを他の相続人に交付することです。
   そして、遺産目録を作って、遺産全体を見やすくします。金
  額もできるだけ記入するようにします。土地の場合、路線価を
  税務署で調べておくとよいです。
   このようにして、被相続人の遺産についての情報を相続人全
  員で共有することです。
 ② そして、次に大切なことは、遺産分割の話し合いは、相続人
  だけで行うことをお勧めします。相続人の配偶者が入いると、
  もめる原因になることがあります。兄弟には幼い頃からの歴史
  があって配偶者が知らないこともあります。この歴史を踏まえ
  ると、自ずと兄弟間で話しがまとまってくることがあるからで
  す。
 ③ 遺産分割の分け方は、必ずしも法定相続分に従う必要はあり
  ません。実情に合わせて遺産分割することが基本です。法定相
  続分は遺産分割の話し合いが決裂したときに、裁判所が決める
  際の基準になるものですので、話し合いの際に、この法定相続
  分に縛られる必要はありません。
   被相続人の世話や介護をしてきたこと、被相続人から受けて
  きた恩恵等を総合考慮して、落ち着き所を見つけるようにしま
  す。
 ④ 遺産分割の話し合いの際の心掛けとして、特に年長の人は弟
  や妹と上下の関係ではなく、対等の関係にあるというスタンス
  で臨むことが重要です。兄貴風、姉貴風を吹かせることは厳禁
  です。
 ⑤ 最終的には、被相続人は何を望んでいたかをそれぞれの相続
  人が思い描いて遺産分割の話し合いに臨むことです。少なくと
  も、残された相続人間で争いが起こることは望んでいなかった
  と思います。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.22更新

Q:立退料が問題となった裁判はいろいろあるかと思うのですが、
   立退料の算定方法としてどういう傾向にあるのでしょうか。

A:裁判例では、不動産鑑定評価基準に規定されている借家権価
   格の算定方法が、必ずしもそのまま立退料の算定に使用されて
   いるわけではありません。借家権価格を立退料算定に入れるこ
   とを否定している裁判例もあります。
    一般的には、建物が老朽化していて建替えの必要性が高い場
   合や賃貸人の建物使用の必要性が高い場合には、立退料の金額
   は低く抑えられる傾向にあります。
      他方、賃借人による建物使用の必要性が高い場合や賃貸人に
   よる建物使用の差し迫った必要性が低い場合には、立退料の金
   額が高くなる傾向にあります。
    具体的には、賃借人に対し提示する立退料を検討するにあた
   っては、借家権価格を定型的に決めるのではなく、建物の老朽
   化の程度等を調査した上で、賃借人から建物を必要とする事情
   について詳細に情報を把握する必要があります。

 弁護士 田 中 宏 幸

 

 

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.11更新

Q:立退料が必要でない場合はどういう場合でしょうか。

A:⑴ 立退料は、借家契約の解約申入れのときの「正当事由」
        の有無を判断する際の補完要素という位置付けです。従っ
        て、「正当事由」が備わっている場合には、立退料の提供
   は不要になる場合があります。

  ⑵ 立退料の提供を考慮することなく、「正当事由」が認め
   られたケース
    都内の一等地にある老朽化した建物で映画撮影用の照
   明器具の貸付業務を経営している賃借人に対し、建物明渡
   しを求めた事案で、本件建物は既にその効用を全うしてお
   り、その命数既に尽きているとして、「正当事由」があると
   認め、立退料は不要であるとした裁判例があります。

    弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.10.01更新

Q:営業用の建物の場合の立退料を算定する際の「営業補償」と
   はどういうものなのでしょうか。
 
A:営業補償とは、賃貸借契約の解約に伴って、店舗を移転する
   ことが必要になりますが、店舗の移転により、営業の廃止、休
   止等が必要な場合には、営業廃止に対する補償や営業休止期間
   に伴う補償が必要になります。
    また、店舗の移転に伴い、場所によっては固定客を失う可能
    性のある場合が考えられます。その場合にはその損失を補償す
    ることが考えられます。
      これらの営業補償の金額については、必ずしも決まった計算
    方法があるわけではありませんので、個別の事案に応じて決め
    るしかありません。その際、借家人の過去何年分かの確定申告
    書は不可欠な資料となるでしょう。
 
  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.09.20更新

Q:「借家権価格」を算定する際、個別的事情が考慮されると思う
    のですが、どのような事情が考慮の対象となるのでしょうか。

A:① 将来における賃料改定の実現可能性とその程度
  ② 賃貸借契約の際に授受された一時金(保証金等)の額と
        返還の際の条件(敷引の有無、額等)
  ③ 将来見込まれる一時金の(追加)額とその返還の際の条件
  ④ 賃貸借契約締結に至った経緯、経過した賃貸借期間及び
        残存期間並びに建物の残存年数
  ⑤ 借家権の取引慣行及び取引利回り
  ⑥ 借家の目的、賃貸借契約の形式、登記の有無、転貸借か
   否かの別及び定期建物賃貸借か否かの別
  が考慮対象になります。これらの諸事情を総合的に考慮する
  ことになります。

   弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.09.10更新

Q:立退料を検討する際、「借家権価格」相当額が考慮されるこ
 とが多いということですが、借家権価格はどのような方法で算
 定されるのでしょうか。

A:借家権価格とは、借地借家法によって保護される借家権に基
 づいて建物を使用収益することにより、賃借人が受ける経済的
 利益のことをいいます。
 「借家権価格」相当額の算出方法は、不動産鑑定士による鑑定
 の基準とされている「不動産鑑定評価基準」によることとされ
 ています。この基準によると、賃貸人の要請によって賃貸借契
 約を合意解約する場合は、「差額賃料還元方式」に「収益価格
 控除方式」を関連づけて借家権価格を求めることとされていま
 す。
  この「差額賃料還元方式」は、建物の経済的価値に対応した
 適正な新規賃料と実際賃借人が支払っている賃料との差額を求
 めて、これを賃貸借契約終了までの期間に対応した賃借人の経
 済的利益を借家権価格相当額と評価する方法です。
 「収益価格控除方式」は、(少し難しいですが、)建物及びそ
 の敷地を自用として処分するときの価格から、賃貸することに
 よる収益力から還元される価格を標準として評価した価格を控
 除することにより算出する方法です。

  弁護士 田 中 宏 幸

 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.08.31更新

Q:借家契約の解約の際の「正当事由」の有無を判断するときに、
  「立退料」ということが出てきますが、「立退料」とはどういう
   ものですか。

A:借家契約の解約のときに出てくる「立退料」とは、建物の賃
   貸人が賃借人に対して建物の明渡しを要求する際に、その代償
 として支払う費用です。法律上は借地借家法28条に定める「
 正当事由」を補完する役割を果たすものです。
  もっとも、立退料はあくまで「正当事由」を補完するもので
 すので、「正当事由」が十分認められる状況のときは、立退料は
 必要ありません。逆に、「正当事由」が著しく低い場合は、立退
 料の支払を申し出ても「正当事由」が認められない場合もありま
 す。
  立退料の金額については、必ずしも定められた計算方法があ
 るわけではありません。① 移転のための実費(引越費用、新た
 に借家を借りるための費用等)、② 借家権価格相当額、営業用
 建物の場合は③ 営業補償を加味する場合が多いでしょう。
  但し、近時の裁判例では、上記②の借家権価格相当額という
 ことを使用せずに立退料を算定しているものもあります。

  弁護士 田 中 宏 幸

投稿者: 田中宏幸法律事務所

2018.08.21更新

Q:「建物の現況」が借家契約の解約の際の「正当事由」の有無に
     とって、どのような影響があるのでしょうか。

A:「建物の現況」とは、建物自体の物理的な状況、すなわち、建
     替えの必要性が認められるにまで至っているかという事情をい
     います。
        例えば、建物が老朽化している状況にある場合が典型的です。
     それ以外に、老朽化以外の原因により社会的・経済的な効用を
     失っている場合も含まれます。
        建物が倒壊する危険が迫っている程に朽廃するに至っている
     ときは、賃貸人に建物の自己使用の必要性がなくても直ちに「正
     当事由」が認められます。
        建物が倒壊する危険が迫っていなくても、当事者間に建替え
      建物の再利用に関する合意がある場合は、「正当事由」が認めら
  れるでしょう。但し、賃借人が営業している場合は、建替期間
  中の営業利益の逸失分を補完するための立退料の提供が必要に
  なるでしょう。
   これに対し、上記のような再利用の合意がない場合は、賃貸
  人側の自己使用の必要性が優越することが必要です。あるいは、
  立退料の提供などにより「正当事由」を補完する必要がありま
  す。この場合、賃貸人に建物建替計画を実現する能力が認めら
  れることが要件とされるでしょう。

   弁護士 田 中 宏 幸 

投稿者: 田中宏幸法律事務所

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